No. 4726
備前徳利
¥70,000
売約済み作品説明
備前が誇る伝統工芸士で、酒器作りの神様と謳われた中村六郎先生の前作の備前徳利です。箱書や作風などから見て中村六郎先生の初期の頃の作品です。柔らかな甘焼きが特徴の中村六郎先生ですが、本作は山土を思わせる非常に荒い土を使用し、ざっくりとした肌合いに強い緋色が掛かる異色の作風となっています。一言で言えば古備前のような存在感があり、一目見ただけでは中村六郎先生と分からない晩年とは真逆の作風となっています。荒々しく鉄分が吹き出る土肌は、くっきりと色が別れた窯変が多い晩年とは違って、色合いの境界が曖昧で古備前のように多種多様な色合いが入り混じっています。また山道や箆目などの装飾を多用しており、これもまたシンプルな作風が多い晩年とは違っています。肩から首にかけては室町期の徳利を思わせる枯れっぷり、胴は桃山の壺のような重厚な緋色が楽しめ、ギャップを楽しんでも良し、素直に古備前調の作風を楽しんでも良しの面白い作品となっています。(経年による汚れはありますが使用感はあまり感じられません、前作ですので予めご了承下さい)
作品情報
- 器種
- 徳利
- 桐箱とサイズについて
- 共箱(二方桟)
口縁3.5cm×胴径9.8cm×胴径9.7cm×高さ12.8cm 容量約400cc
作家紹介・陶歴
中村六郎先生は、終戦までは会社勤めをされていましたが、1945年に人間国宝 金重陶陽先生に師事し技術の修練を積み、1961年に六郎窯を築いて独立されました。ろくろでは徳利などの酒器を好んで制作。たたらでは泡瓶、急須、茶碗なども手掛けています。朴とつで野性味あふれる作風で、焼き締め陶なので焼成を大切にし、作品の良し悪しを決める窯詰めにも力を入れていました。86年度の伝統工芸士であり、同年、岡山日日新聞賞を受賞し、89年には春の叙勲で勲七等青色桐葉章を受章されました。2004年4月に亡くなられました。
